人は恒温動物であり、常に体温を一定に保とうとします。
細胞内の生化学的プロセスが最も効率的に進行するよう、
筋運動やさまざまな代謝により熱を生み出し、
皮膚表面から熱を放出、発汗によって気化熱がそれを促進して体温を維持。
しかし、これに消費されるエネルギーは予想以上に大きなものとなります。
人間の身体が作り出したエネルギーの内、
身体各部を動かすために使われるのはわずか20%。
80%という大部分は、体温を維持するためにのみ消費されます。
アスリートにとってこの体温調整の効率は、
単に快・不快という快適性の問題だけでなく、
持てるエネルギーをいかにパフォーマンスに
集中できるかという本質に関わる問題なのです。
アスリートの皮膚の最も近い所にあるアンダーウェアこそが、
体温調整の成否を左右します。
バイオメカニクス(生体力学)という言葉が
スポーツの分野で聞かれ始め数十年が経ちます。
運動機械としての人体の構造学的研究と身体運動のエネルギー的研究を、
コンディショニング、トレーニングやスキルアップ、
用具やウェア等の改良に役立てようというものです。
例えば短距離走における股関節の伸展速度とスピードの関係、
例えばロングジャンプにおける踏切時の足の動作分析とトレーニング方法等、
計測・分析技術の進展と相まって、著しい進化を遂げてきました。
ハイパフォーマンスアンダーは、単なる下着の領域を超えて、
アスリートたちのパフォーマンスアップを可能にするギアとしての役割が求められています。
ZEROFITはこのバイオメカニクスの成果をアンダーウェアにも取り入れ、
身体各部の可動範囲を広げ、より正しいフォームを形成するよう身体をサポートします。
ハイパフォーマンスアンダーの多くはなぜ、
コンプレッションウェアと呼ばれるタイトなフィット性を備えているのでしょう。
まず、筋肉は強い負荷がかかると、筋繊維が激しい震動を起こします。
これが無駄なエネルギーを消費し、疲労を蓄積したり損傷の原因となります。
コンプレッションウェアには、
この筋震動を抑え、疲労や損傷を軽減する効果が期待できます。
さらには、体表の静脈に圧力をかけることで循環器系の働きを活発化し、
血液循環を高め、スムーズな疲労回復が可能になります。
但し、単純かつ均一な着圧では不十分で、
場合によっては却ってこの還流を妨げかねないケースもあります。
心臓から遠い部分に最も高い着圧を加え、
心臓に近付くにつれて着圧を緩めるスムーズ段階的着圧という機能が不可欠となります。